第三回 創作 思いついた物語の出だしをただ書きなぐっただけ
大学の講義で、教授は言った。
「文章を書いたときには、その文章の参考にした文献を最後に参考として記しなさい」
あれは、僕が大学に入学して最初の講義でのことだ。
僕は中部地方の私立大学で文芸学を学んでいる。そのため、僕が大学で書く文章といえば、それはやはり小説だ。実際は、小説などと言える代物ではない。ただの空想の羅列であり、文字列はどれもがどこかで見たことのあるような文字列だ。だが、僕はそれを小説だと思っているし、それに対して異論反論は認めない。
参考文献を記すのは、論文だけではなく、小説にも共通している。
その小説を書くために参考にした本を記さなければならない。
ならば、ならば僕が書く小説は、おそらく本文よりも参考文献の方が長くなってしまうだろう。
僕が、たった数百枚の原稿用紙を埋めるために、今まで読んできた数百冊もの本の力は必要不可欠だったのだから。
僕の文章は、僕がこれまで読んできた数多の本に書かれた言葉の集合だ。
僕の物語は、僕がこれまで集めてきた数多の本の集積だ。
僕を形作る物は、僕がこれまで触れてきた数多の本の結晶だ。
だが、これは。これから語るのは、これから僕が並べる文字列は、まぎれもなく、どうしようもなく、どうあがいても、僕だけの文章で、僕自身の物語で、誰の助けもない。僕だけだ。
だから、この小説に参考文献は存在しない。あるいはこうも言える。これは、本当に、僕がこれまで読んできた本すべてによって作られた物語であると。
えーと、続きを書くかどうかはまだ決まってないけど、コメントくれたりしてくださったらモチベ上がるかもしれません。(他力本願)
超動く家を読みながら